11月のビタミン 『スウィートなもの。その、魅力。』
●スウィートなもの。その、魅力。私たちが魅かれて止まないものに「スウィートなもの」があります。
それは、文字や言葉の響きから一番に連想されるケーキなどのスウィーツや、広く考えれば、ファッションにおけるキュートなデザインであったり、人としていうならば、同性からも憧れの的になるようなラヴリィな人に当てはまります。
では、なぜ私たちはそんな「スウィートなもの」に魅かれるのでしょうか。
たとえば、苺のショートケーキ。
まずは、そのフォルム。衣装ともいえるクリームは、シンプルだけれども、艶やかで柔らかな光沢を放ち、まるで純白のウエディングドレスをまとっているのかようです。
カッティングされた断面からうかがえる、肌ともいえるスポンジ部分は、クリームと絶妙な味のハーモニーを舌の上で奏で、しっとりとした柔らかさと歯ごたえを口の中に運んでくれることでしょう。
一番上にちょこんと座っている可愛らしい赤いイチゴは、純白の中の一点だけのトッピングとして誰もが目を惹く主役となっています。
もちろんこのイチゴはケーキ全体での見た目だけでなく、味においても大きな役割を担っているのです。
単調な甘いだけの味の行進のなか、このイチゴの甘酸っぱさがメリハリをつけるからこそ、私たちが身を肥やしてでも(笑)口にしたいという魅力を放ち、そして私たちは見事に誘惑されるのです。
では、ファッションにおける「スウィート」はどうでしょうか。
漠然として聞こえるかもしれませんが、冒頭でも述べたように、これを「かわいらしいもの」「キュートなもの」と変換してみましょう。
あなたのトータルファッションの中で何か1点はあえてそれらの演出を施していませんか?
ヘアスタイルはカットやパーマ、カラー、スタイリングで「女らしい」「やさしい、やわらかい」イメージを作り上げ、
服なら胸元や裾から遠慮がちにのぞかせる飾りのレース、淡い色合いした柄のトップスやボトム、シルエットだけでその姿を作り上げるスカートなど、
ちょっと流行りが気になるオシャレさんなら必ずこれらに気を配っているのではないでしょうか。
また、ガーリーやジーンズ系、コンサバ系のファッションを好む人にだって、
見た目に「お!あの人、かっこいい♪キレイ!」と思える人は
明らかに「かわいらしい」小物、若しくは何か1点「女らしい」ものを身につけているはずです。
オシャレ上級者の多くは、自分のファッションに相対するものを取り入れ、その効果を大にしているのです。
ただ、すべてがやさしい色合いでフリフリのレースで、あまぁぁぁい「やりすぎアマ×Aファッション」というのでは、魅力は半減どころか、かえって魅力を全く感じなくなってしまうでしょう。
スウィーツやファッションにおいて、ただ甘いだけではテイストがぼやけてしまって魅力が半減するのは当たり前です。
酸っぱさや、苦味の中にある甘みこそがその魅力なのです。
要は「メリハリをつけて演出する」ということなのです。
「甘さに陶酔する」本能をもった私たちは、その刺激を求めているのではないでしょうか。
人間的にも同じことが言えると思います。
全ての人がそうでないにしても、共通して言えることは、人として魅かれて止まない女性というのは、甘く優しい中でも、その中に相反した厳しさを持ち颯爽(さっそう)としたライフスタイルを維持しているのではないでしょうか。
「自分の中に取り入れてしまうスウィート」と「自分らしさを表現するためのスウィート」を抱き合わせることが、
自分の魅力を最大限に形成していくことなのではないでしょうか。
あなたもイチゴショートな女性を目指してみてはいかがですか?
書き手:M.Tamura(C) 2008 SHIGAAN 11月号掲載