このコーナーは、滋賀県内を中心に地域貢献し、素晴らしい取り組みをされている企業をご紹介いたします!
滋賀・近江の発展のために企業がコツコツと発揮している底力をより身近に感じてくださいね。
>>Vol.01 株式会社 川合製作所(かぶしきがいしゃ かわいせいさくしょ)
栄えある「GANBAあ〜る企業」の初回ご紹介企業さんは、滋賀県湖南市東寺(石部)にある、主に国産自動車の補修部品を製造する株式会社川合製作所さんです。
ただ、普通の企業さんとちょっと違うのは、障がいをお持ちの従業員さんの比率が少し高いこと。
起業から現在までに、障がい者授産施設の開設・障がい者の方の就労支援に多大な尽力をされてきたという背景があり、特に近年では、費用をかけない独自の改善事業に取り組み、誰も不良を出さずに生産・作業出来る仕組み作りを構築し、「不良流出ゼロの会社」という高い評価を社外から受けるまでになりました。
また、2010年5月、滋賀県中小企業家同友会から「滋賀で1番大切にしたい会社」の3社のうちの1社に選出され、素晴らしい称号をいただいているのです。
株式会社 川合製作所
設立 昭和42年(1967年) 川合製作所創業
昭和50年(1975年) 法人化 株式会社川合製作所
住所 〒520-3111 滋賀県湖南市東寺1丁目6番28号
TEL:0748-77-3194 FAX:0748-77-6544
代表取締役 川合 充彦
従業員数 17名 男子7名・女子10名(内、障がい者7名)(2011年3月末現在)
事業概要 自動車部品の加工・組立・包装/不良流出防止の改善・作業手順書作成代行
■会社理念
私達は仕事を通じて成長し地域・社会に貢献し、従業員・従業員の家族が幸せになれる事を目標とします。
■チェックポイント
5月13日県総会にて滋賀県中小企業家同友会様から
滋賀で1番大切にしたい会社3社のうちの1社に選出される。
2010年5月22日日本経済新聞滋賀欄にて紹介される。
2010年「滋賀で一番大切にしたい会社」に選ばれた理由
■障がい者の方とともにはぐくんだ、40年
1975年に現在の川合充彦社長の父・先代社長の末次郎さんが湖南市東寺(石部)に事業所を移されてからのことです。鍛造品製造事業を拡大し、人手不足に悩まれていたのだそうです。
その頃、たまたま、会社の近くを通りがかる
近江学園(県立児童福祉施設)の生徒さん達の姿が目に止まったことがきっかけとなり、先代社長が自ら学園に赴き
卒業生の就職を希望したのです。
当時、授産施設や障がい者の就労のサポートは少なく、養護学校などからの就職を受け入れる企業はとても少なかったといいます。無論、画期的な試みを取り入れた川合製作所さんにおいて、卒業生を受け入れてから軌道に乗るまでの道のりは、困難と苦労の連続だったことでしょう。
作業については根気のある丁寧な指導を行ない、さらには、川合社長がまだ学生の頃から先代社長が正月休みなどに障がい者の社員さんたちを自宅に招待するなど、それはまさに
「障がい者と健常者が共に働き、生きる」という現在の形の基盤作りからのスタートでした。
様々な経緯と計りしれない葛藤があったのち、川合社長が先代の後を継ぎ社長に就任してからは、内部の精度を上げる事もさることながら、
体制が整っていなかった当時の社会に向けて働きかける事にも大変な苦労があったのです。
その中で、先代社長の末次郎氏が代表を勤めた現在の
「NPO法人いしべ共働作業所」や、現在でも川合製作所内に健在する
生活ホーム「あいふる荘」(現在は閉鎖)を建築、運営に至ったのです。
さらに、内部でも壁が立ちはだかります。肝心な従業員さんたちの作業の精度が上がらないのです。
川合社長は、仕事場で集中力が上がらない従業員さんたちに、
やる気と責任・スキルをもっと身につけてもらうため、「あいふる荘」のキーパーさんたちに
「彼ら自身で出来る事は、全て自分たちでやるように」見守ってもらうようお願いをし、失敗と成功を何度も繰り返しながらじっくりと時間をかけ、彼らの自立心と技術の向上、さらには集中力を高めることに成功したといいます。
サポートが確立するまでの多大な苦労が実を結んだ時、共に作業し、共に生きる事が出来る喜びは、かけた苦労と時間が倍になって川合製作所さんを取り巻いて、深く実感されたことでしょう。
■改革〜不良品流出ワーストワンから流出ゼロへ!
しかし、体制が確立されただけでは、そう上手く事は運びませんでした。
国産自動車の海外向け補修部品を組み立て、梱包するという、川合製作所さんの主業務において、不良流出が他社に比べ、非常に多かったそうです。不名誉なことに、2010年1月に
「不良流出ワースト1」という座についてしまったのです。
もちろん、このままでは社内はおろか、お客様にとっても、社会にとっても良いはずがありません。
「障がい者の方と共に働く川合製作所」だからこそ、もっと精度を上げていかなければならない、という使命がありました。
そこで、まだ入社して間もなかった社員の山内貴夫さんは、
日々の作業の中で見える改善点をいくつか挙げていくようになりました。しかし、往年働く社員さんたちに、若い山内さんの意見はなかなか受け入れてもらえません。今まで自分流に仕事をこなしてきた先輩社員さんたちのプライドもあり、確立されていた工程を変更するというのは、容易なことではなかったのです。
それでも、
「改善すれば必ず不良は出なくなる!」と確信した山内さんは、逆風にも負けず、改善の提案し続けたそうです。それは、単に、日々の作業の中で物の配置を変え、手順を統一することなどから始め、タイムラインで不良が出るポイントを洗い出し、とにかくそこをみんなに知ってもらうという事に従事したのだといいます。
はじめは、なかなか意見を受け止めてくれなかった社員さんたちも、改善していくにつれ、自分たちの仕事の精度が面白いようにあがっていくという結果に、次第に納得してくれるようになったそうです。
そして、山内さんの作業改革は本格的にマニュアル化され、社内一丸となって、改善事業に取り組んだのです。
その結果、改革を始めて、
わずか3か月で「不良流出ワースト1」から、取引先の企業さんに「流出ゼロの会社」と称賛されるようになったのです。(現在、不良ゼロ記録更新中)
これは、提案する側、受け入れる会社、そして社内がひとつとなり、どんなことがあっても目標に向かって、努力し続けなければできないことでしょう。
厳しく言えば、不良流出ゼロは「当たり前のこと」であるのかもしれません。ですが、簡単なように思えて、機械でもない人間がミスをしないということは、非常に難しいことであることには間違いありません。
ベクトルを合わせることも容易なことではありません。いままでの
苦労の40年間という川合製作所さんの歴史があったからこそ、この驚異的な大業が成し遂げることができたのではないでしょうか。
■お手伝いします!不良流出防止の改善と障がい者の方の雇用に関する提案
新プロジェクト誕生!
今までの川合製作所さんの実績ある
不良流出防止のノウハウと、
障がい者の方の雇用についての提案を、改善担当課長となった山内さんを中心に新規事業を立ち上げることになりました。
「中小企業改善コンサルティング」としたこのプロジェクトとは、零細企業ならではの
お金をかけずに出来る改善がメインなのです。まずは、企業の
悩みや相談事を受ける事から始まります。
例えば、
生産性が伸びない。
不良数が減らない。
改善活動が進まない、もしくは改善活動にかける時間がない。
高額なコンサル料が払えない、有名コンサルは大企業向けで自社にマッチしない。
など、きっちりと悩みや困りごとの
ヒアリング(無料)を行なった後
その企業に適したアドバイスとコンサルティングを提供するというものなのです。
また、障がい者雇用をお考えの企業さん向けにも、30年以上前から障がいを持った方々と共に仕事をしてきた実績を活かし、ケースに応じた提案をされるのだそうです。
そのメニューの中には、川合製作所さんへの
工場見学もあり、目で見て確かめることもできるのです。
実績を持った現場の方に、実際の指導やアドバイスをしていただけることは、依頼する側からすると、
等身大の悩みをストレートに受け止めてもらえるというメリットがあります。
「そんなこと、ウチでもやってるよ!」という方でも、それを維持していくのは大変なのではないでしょうか。
百聞は一見に如かず。
是非一度、石部の工場をご覧になってはいかがでしょう。障がいを持った従業員さんも含め、皆が和気あいあいと効率よく作業している姿を見るだけでも、心打たれ、何かを感じ取れることは間違いないでしょう。川合社長の人柄がにじみ出た、素晴らしい現場をぜひ一度、体感してください。
〜株式会社川合製作所からのメッセージ
滋賀で1番大切にしたい会社から 日本で1番大切にしたい会社へ
私達はまだまだですが日本で1番大切にしたい会社と思われるようにこれからも従業員一同頑張っていきます。従業員の方々からこの会社に入って良かったと心から思っていただく事を目標にこれからも精進してまいります。
また、私たちの取り組みをご理解いただいた上で、より多くの企業様に不良流出防止の改善と障がい者の方の雇用にご提案できるよう努めてまいります。
■お問い合せ
株式会社 川合製作所
〒520-3111 滋賀県湖南市東寺1丁目6番28号
TEL:0748-77-3194 FAX:0748-77-6544